山紫水明 零式

Sanshisuimei

山紫水明は現代の都市のノイズが溢れる日常の中でも、静かに自分と向き合える親密な空間を作り出せたらと思い生まれた装置です。その初作品である、山紫水明零式はオフラインで自然を感じられることにこだわって、欅の一枚板にマイクロコンピュータ、LCDディスプレイを組み込み、専用のソフトウェアを実装し、自然の音と映像だけが流れるように制作しています。

- 自然再生による空間豊穣-

 

一連の映像作品は山を流れる水をモチーフにこの世界の循環性と流動性を映し出し、
鑑賞者のそれぞれの生きる場において、自然の流れを感じさせる瑞々しい空間を生み出す
ことを目的として制作しています。

事物は関わり合い、流動しながら循環する。森の中で、小川は山の頂からやってきて、
下流へ降り、海へと流れる。小川の水は海の水となり、その水は太陽の熱によって大気へ
蒸発し雲となる。雲は雨となって山へ滴り落ち、再び小川となって帰ってくる。水の流れ
はこの世界の循環と流動を象徴している。

自然の内にあって留まるものはなく、流れの中で生きとし生けるものはそれぞれのリズム
で生起と消滅を繰り返す。鳥は囀り、虫は鳴き、風が吹き、水面を揺らす。生あるものが、
流動する可能性の海の中で生まれ、光と音のダイナミックなゆらぎを巻き起こし、私たち
の網膜と鼓膜まで伝える。

自然空間に満ちる豊かな光と音の像を掬い上げ、それを日常の空間において再生する。
時間の中で流れ続ける景観と音像は、鑑賞者に寄り添い、今生きている場の空間認知の
変容を起こす。現代の高度に合理化・効率化された社会によって固定され狭められて
きた空間を、本来生き物としての人間が持つべき空間の豊かさへ開放する。

山紫水明 零式 (Sanshisuimei Zero)

サイズ(Size): 625 × 334 × 48 mm
素材(Material): 朴の木(Magnolia Wood)、マイクロコンピュータ(Microcomputer)、LCDディスプレイ(LCD Display)
制作年(Date of Manufacture): 2021